人を動かす伝わる文章術|説得力が出る6つのポイント

「上手な話ですね」
「熱心な話ですね」

「上手な文章ですね」
「感動的な文章ですね」

「上手な記事ですね」
「役に立つ記事ですね」

「上手なプレゼンだね」
「最高のプレゼンだね」

どちらがよいですか?

この記事には上手に話す方法も上手な文章の書き方も上手なプレゼンの仕方も書いてありませんが、

情熱を伝え感動を与え役に立つ最高の文章を書いたりプレゼンを行うために、私が本当に大切だと信じていることをシェアしたいと思います。

1. 情報=商品:圧倒的な知識量は伝え手のマナー

200冊以上の本を書いている言語学者の苫米地英人さんは文章を書くために必要なこととして、「読み手を圧倒するくらいの知識量」を挙げています。

またベストセラー作家の池田貴将さんは「20冊~30冊の本を研究して、やっとひとつくらい伝えたいことが自分の中に形を宿す」と言っています。

会社のプレゼンテーションでも営業でも同じで、受け手と比べて圧倒的な情報量を持っていることが、本でもブログでもプレゼンでも絶対必要だと私は信じています。

本の読者はお金と時間を払っています。会社のプレゼンテーションでも時間的にも金銭的にも大きなコストがかけられています。意識的にせよ無意識的にせよ、聞き手はそれを分かっています。

考えてみれば当たり前のことですが多くの人が意外と忘れがちなところではないでしょうか?

高いお金を払って買った商品が、粗雑なものだったら「損した」と思いますよね。

何かの発表やプレゼンテーションでは、あなたとあなたの持つ情報が商品です。聞き手が払ったコスト以上の価値を提供できなければ相手は「損した」と思いますよ。

この記事のようなブログでも同じですけどね。あなたは超忙しい中、自分の時間をかけてこの記事を読んでくれていると思います。

私のような素人でも、心理学、脳科学、NLP、その他様々な文献を百冊以上は読み整理した上で、このブログを書いています。

専門家であってもなくてもどのような場面でも、相手の貴重な時間をもらって何かを伝える以上、可能な限りの情報を身につけておくのは最低限のマナーだと思います。

もしあなたが「勉強も努力もしたくない、小手先のテクニックで上手くプレゼンしたい」と考えているのであれば、この記事はそういう人のためには書いてませんので、読まない方がいいと思います。

逆に「出来るだけ相手に価値のある情報を伝えたい」と考えているのであれば、その気持ちと努力は絶対に無駄になりません。

聞き手が慣れているほど、あなたの情報が付け焼き刃なのか考え抜いたものなか直感的に伝わります。もし未熟であっても真剣に努力した結果であればちゃんと伝わります。

「私の情報は相手の払うコストに見合う価値があるものなのか?」
「どうすれば情報の価値を高めることができるだろうか?」

常に情報=商品と考えて、商品の価値を高めましょう。

ちなみにこのブログを読んで勉強することも価値を高めることにつながりますので、読んでみて役に立ったらついでにシェアしてもらえると超うれしいです。

2. 『メラビアンの法則』の嘘:説得力のある『見た目』の作り方

話し方、プレゼンテーションに役立つ情報として、おそらく最も引用されるのが『メラビアンの法則』です。

『メラビアンの法則』としてよく言われることは・・・

  • 見た目、身振り手振りなど視覚情報が5割以上
  • 声のトーンなど聴覚情報が4割
  • 話の内容=言語情報そのものは1割以下
  • ⇒つまり話の内容よりも見た目や話し方のテクニックが重要

    ということですが、この結論は完全に間違っていますので注意して下さい。

    実際の実験では、あくまで『判断に迷った場合』に聞き手がどのような情報を頼りするか、という割合です。もともとの情報の質が悪ければ意味がないです。

    超イケメンや美人が超うまくプレゼンしても千円の商品が一万円で売れることはありません。当たり前です。※下心がある場合は除く。

    ちなみに『メラビアンの法則』でいう言語情報というのは、話の『中身』ではなく、言葉使いや表現などのことです。『中身』がなくてもいいわけではありません。

    でも、あくまで情報として価値があることを前提にすれば、視覚情報、聴覚情報をうまく使うほうが、言語表現にこだわるよりも圧倒的に効果的というのは事実です。

    では実際にどうすれば視覚情報と聴覚情報をうまく使えるのか?

    答えは「何度も音読しろ」ということです。音読練習しないと視覚情報と聴覚情報はうまく使えないからです。

    具体的には次のように視覚情報と聴覚情報を使います。

  • 相手の目を見て話す(一番重要)
  • 身振り手振りを入れる(一般的には指や手で指したりするだけで十分)
  • 大きな声で話す
  • 少しは抑揚をつける
  • 身なりは清潔に
  • 「そんなことか」と思うでしょうけど、そんなことです。ところが実際のプレゼンではそれすらできていない人がほとんどです。まず資料を目で追いながら読んでいる時点でアウト(相手の目を見ていない)ですからね。

    大きな声で抑揚をつけて話すだけで自信があるように聞こえます。

    プレゼンする機会があれば、嘘だと思って、時間のあるときにとにかく何度も音読してからプレゼンしてみてください。全然違いますよ。

    目を見て話す、自信があるように話すというのはよく言われることですが、最強なのは「目をキラキラさせて話す」ことだと思ってます。

    脳科学者の池谷裕二さんは「脳の働きが良くなると眼の輝きが違う」と言っています。眼は口ほどにものを言うと言われますが、おそらく私たちは無意識的に相手の眼から膨大な情報を受け取っています

    情熱を持って一生懸命に話すことで、不思議と相手に伝わるのも、現在はまだロジックは解明されていませんが、きちんと理由のあることなのでしょう。

    映画やドラマでも主張のある場面では、俳優さんはすごく眼に力がこもってますよね。

    私たちはそれほどの演技力はありませんが、個人的には「1点を見つめる」トレーニングをすると、けっこう目力が身につくと思います。

    あと大事なプレゼンや会話の前には目薬をしましょう。水分がないと光が反射しないのでキラキラしません。

    3. 『ラポール』の本質:一瞬で心の距離を縮める最強のテクニック

    『ラポール』というのは『心の架け橋』の意味です。営業先でいきなり商談の話はせずにまず世間話から入るのも、ラポールを作るためだと言われます。

    私たちは防衛本能があるので、知らない人の話は本能的に拒絶します。新しい情報も本能的に拒絶します。伝えたい情報を伝える前に、相手の警戒感を解かないと伝わるものも伝わりません。

    世間話、お土産話、雑談、共通の話題などがラポールを築くための代表的なテクニックです。

    ・・・ですが、それはあくまで表面的なテクニックです。

    よく考えてみると『ラポール』の本質は『距離感』なんですね。

    『心の架け橋』の目的はなんでしょうか?心と心を『近づける』ことです。

    距離感を縮めること

    これができれば何でもいいのです。逆に距離感が縮まっていなければ、世間話も雑談も時間の無駄です。

    そこで世間話や雑談の前に意識して欲しいのが『笑顔』です。

    自然な『笑顔』こそが最速で警戒感を解き距離感を縮める最強の武器です。

    実は『メラビアンの法則』が最も効果を発揮するのはこのタイミングです。なぜなら「何も情報がない」時が最も「判断に迷う」タイミングだからです。

    何も情報がない段階だからこそ、雑談=言語情報ではなく、笑顔=視覚情報が最強のラポールを作るテクニックなんです。

    自然な笑顔の作り方は、普段からよく笑うことです。特に年齢を重ねると顔の表情筋が固くなり、感情の起伏も小さくなるので、いつの間にか固い表情になってしまいます。

    時々、コメディを見る、お笑いのDVDを見るのも良いですが、何よりも日常生活の中で『興味深いこと』『おもしろいこと』を探す癖をつけておくのが良いトレーニングになります。

    4. 新しい知識よりも新しい視点と新しい組み合わせ

    適当な人のプレゼンが評価されたり、話がうまいと言われる一方で、自分が真面目に作り込んだプレゼンが評価されなかったりします。

    真面目な人がやってしまいがちなのが、新しい知識や情報を入れすぎてしまうことです。もしかしたらこのブログも情報過多かもしれませんが・・

    ガリレオが「地球は丸い」と言ったとき誰も信じてくれなかったように人は本能的に新しい知識や情報、概念に拒絶反応を示します。なぜなら自分の世界観が崩れてしまうからです。

    世界観というと大げさだと思うかも知れませんが、例えば【唐揚げを食べると肌がボロボロになって老化する】と言われたら、唐揚げが好きな人は拒絶反応を示すと思います。

    【美人よりブスのほうが結婚しやすい】と言われたら、自分が美人だと思っている人は嫌悪感を示すでしょう。

    花粉症の人がくしゃみをするように、聞き手にとって新しすぎる情報は本能的にシャットアウトされてしまいます。

    高機能すぎたり革新的すぎる商品は売れないのも同じ理由です。

    プレゼンやブログでも、特に自分が専門家に近づけば近づくほど、素人の聞き手にとっては情報が多すぎたり新しすぎる可能性が増えてしまいます。

    そこで私が意識しているのは、聞き手が既に知っている情報をベースに話す、ということです。

    新しい情報を伝えたい時は、既にある情報に『新しい視点』を追加すると聞いてもらえる確率が上がります。

    例えばこの記事では、『メラビアンの法則』や『ラポール』自体は目新しいものではありません。おそらくあなたも聞いたことがある言葉だと思います。

    でも『メラビアンの法則』って実はこういう意味です、と新しい視点を追加してもらえるように書いてみました。

    『iPhone』だってもともとは『携帯電話』+『iPod』の組み合わせです。もし『iPod』が存在せず、いきなり『iPhone』として登場していたらこれほどの大ヒットはしなかった気がします。

    逆に言うと、情報自体が新しくなくても、組み合わせ方が新しければいいのです。

    私自身は新しい情報や専門的な情報ほど、聞き手が慣れ親しんだ既存の情報とつなげて話したり書くこと、新しい組み合わせを考えること、この2つを意識しています。参考にしてみて下さい。

    5. 信頼度をアップさせるハロー効果と権威性

    「○○大学名誉教授」「ハーバード大学卒」「○○世界選手権優勝」・・・このような『肩書き』に私たちは弱いです。

    ちゃんとした肩書きだとちゃんとした人だと思われて、ちゃんとした話だと信頼される効果を心理学では『ハロー効果』や『権威性』と言われます。

    『権威』= 『Authority』ですが、Authorityは『正当性』という意味でもあります。情報の信頼性、正しさを示すためには『肩書き』をうまく使うと効果的です。

    専門家でもなく何の肩書きもない私たちの場合の使い方は「スタンフォード大学の□□教授によると~」「○○という実験では~」などの『情報源』をところどころに入れておくと一気に信頼性がアップします。

    引用をうまく使うのもよいです。

    『NAVERまとめ』などは引用の使い方も見せ方もすごくいいですよね。

    引用や情報源は正確に書かないといけないので面倒くさい場合(このブログでも面倒なのであまり書いてない)、「メラビアンの法則では~」「脳科学では~」と大まかな学問名、法則名を入れておくだけでも「ちゃんと根拠のある情報なんだな」という印象を与えることができると思います。

    資料がある場合、参考文献として記載しておくだけでも全く違います。膨大な参考文献リストが末尾にあるだけで気合いが伝わりますよ。

    6. 体験型コンテンツ:無理やりプレゼンを成功させる悪用厳禁テクニック

    あなたのプレゼンが成功したのか失敗したのか?このブログの記事が良い記事だったのかダメ記事だったのか?その判断基準は『行動が変わったかどうか』です。

    プレゼンして企画が通ればあなたのプレゼンは成功です。この記事を読んで、あなたの行動が何か変わればこの記事は良い記事だったということになります。

    行動心理学では「私たちが行動する時、必ずその行動をするための感情の動きがある」と言われています。

    逆に言うと、感情が動けば必ず何らかの行動が起こります。

    映画を見て感動したら人に話したくなるのは、それだけ感情が動いた=感動したからです。

    『ロッキー』を見た後、なぜかシャドーボクシングをしてしまうのはそういう感情になったからです。

    会社のプレゼンでも、良いプレゼンであれば、必ず聞き手に何からの行動が起こります。企画が通ったり、「良かったよ」と褒められたり、拍手が起こったり、後で質問があったりします。

    ・・・ここまでは普通の書き方話し方の本に書いてあります。この話には続きがあります。

    感情を動かせば行動が変わるのと同様に、行動が変われば感情が変わるというのも事実なのです。

    ここからは悪用厳禁なのですが、次の2つの会社を考えてみてください。

    1. 過酷な労働で給料が高い会社
    2. 過酷な労働で給料が低い会社

    この2つの会社のうち、社員が「この仕事が好き」と答えるのはどちらだと思いますか?

    おそらく普通は1の給料が高い会社だと考えますよね?

    ところが事実は逆で、2の過酷な労働で給料が低い会社のほうが「この仕事が好き」と答える割合は高いのです。

    なぜかというと、過酷な労働でも給料が高ければ「お金をもらうために嫌な仕事をしている」という『理由づけ』が可能です。

    ところが、過酷な労働で、しかも給料も低いとなれば、「なぜ自分はその仕事をしているのか」という合理的な『理由づけ』ができないのです。

    このような状況を心理学では『認知的不協和』といいます。

    『認知的不協和』を解消するために脳は第3の道を作り出します。それが「過酷な労働だし、給料も低いけど、私はこの仕事が好きだからやっている」という『理由』=言い訳なのです。

    知ってか知らずかこの『認知的不協和』で成り立っているのがブラック企業だと言われています。

    それではこの法則をプレゼンテーションに活用(悪用)するとどうなるのか?一番良いのは『体験型コンテンツ』を盛り込むことです。相手は『体験した』だけで『伝わった』と判断してしまいます。

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    あなた「このペンは書いても疲れを感じないマジカルペンです」
    あなた「それではAさん実際にこのマジカルペンで文字を書いてみて下さい」
    Aさん「.......」(文字を書く)
    あなた「それでは、どこが『疲れないポイント』だと思いましたか?」
    Aさん「そうですね、『指にフィットしてる』し、『重心が良い』感じですね」
    あなた「実際に楽に書けましたか?」
    Aさん「はい、楽に書けた気がします」

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    いかかでしょうか?典型的な悪徳商法のスクリプトですが、こんな感じで誘導されたら本当に『疲れないペン』だと信じてしまいそうですよね。

    特に重要なことは実際に書かせたり、口に出させることです。

    ちなみに『このペンは疲れないペンです』と強制的に言わせるだけでも効果がありますが、この例のように『疲れないポイント』を聞くなどして相手に自発性を与えたほうがより強力です。

    しかもそれを見ている周りの人にも同じ印象を与えることができます。サクラなんか使わなくても、うまく質問で誘導すればいいわけです。

    もちろんダメ商品を良く見せれば詐欺ですが、本来は良い商品をより良く見せたり、良い情報をより深く理解してもらうためのまっとうなテクニックです。

    自己啓発セミナーなどでは目標を紙に書いたりしますし、学校の授業で生徒に発言させるのだって『体験型コンテンツ』です。

    そして『体験』に『参加』したという事実自体が、あなたのプレゼンが良いものだったという印象を作ります。

    『発言させる』『紙に書かせる』などであれば簡単に取り入れることができます。マジカルペンの例を参考に、その時の『質問』を工夫すれば、あなたのプレゼンへの評価は一気に高くなるはずです。

    ちなみに下のほうのFacebookとかTwitterとかのボタンを押してこの記事をシェアすると内容がより深く理解できますので試しにシェアしてみるのもいいかもしれませんよ(笑)